永年にわたる電子出版ワークフロー構築策定の末、辿り着いた結論が「自社開発」。「InDesign ドキュメント資産の有効活用」「教育時間要らずで利用でき雑誌や書籍の構造を意識したユーザーインターフェイス」「大量生産のためのグループワーク」。これらを兼ね備えたソリューションが「マークアップエディタ」です。

導入企業:株式会社マイナビ出版様
サービスページ:マイナビeBooks

課題解決のための「共同開発」

株式会社マイナビ出版様では、「PCからスマホまでの全てのデバイスで読むことができるEPUB フォーマットをメインに電子書籍を発行していきたい。」「複雑なレイアウトのInDesign データをリフロー化およびHTML化したい。」このふたつの課題を解決するべく、これまでに数多くのEPUB編集システムやツールの選定・検証に携わり、多くのノウハウを蓄積してきました。

これらの課題を解決するために導き出された答えが「自社開発」であり、その選択に対しポルタルトがエンジニアリング部を担当させていただくことになりました。

本の構造を意識したユーザーインターフェース

マークアップエディタは、インデザインのネイティブデータ(テキスト・画像)を、必要のないタグを取り除いたうえエディタに受け渡すための「ピックアッププログラム」と、ブラウザベースのEPUB/HTMLエディタとで構成されたWebアプリケーションシステムです。

雑誌・書籍を制作するうえで最も重要な編集作業。マークアップエディタの編集機能は雑誌や書籍の構造を意識して設計されているため、従来の編集フローに近いかたちで作業をおこなうことができ、EPUBやHTMLのノウハウも必要ありません。

最終アウトプットは「EPUB」と「HTML」。印刷用に制作されたインデザインドキュメント資産をWeb標準エディタに蓄えておくことにより、柔軟で汎用的なアウトプットが実現できました。

念願の「Mac FanのHTML化」に成功

Macユーザーから絶大な支持を得ているお馴染みのMac専門雑誌「Mac Fan」は、従来の印刷媒体に加え電子書籍としても各マーケットに配信されていますが、2014年7月号よりHTML配信が実現。Webブラウザさえあれば、あらゆるデバイスで快適に閲覧することが可能です。

Mac Fanの底本はInDesignで製作されています。誌面内のレイアウトデザインは非常に複雑なため、いわゆる「リフロー」や「HTML」は不可能だと思われてきました。しかしマークアップエディタの開発によって、「Webブラウザ」という究極の汎用ビュアーで、誰もが、どんなデバイスでも、快適に読んでもらうことができるサービス提供が可能になったのです。

2015年9月号からは、同社刊行の「Web Designing」のHTML化も実現しています。

Webでも読める、ePubでも読める「マイナビeBooks」

底本が存在しない電子だけのオリジナルコンテンツを提供するサイト「マイナビeBooks」に掲載されている書籍は、読者のニーズに合わせて形態の異なった商品を提供するためにHTML版とEPUBリフロー版の2つのフォーマットをマークアップエディタによって同時に製作しています。これにより、資産を最大限に有効活用するとともに製作コストも大幅に削減することに成功しました。

また、電子コンテンツの紙書籍を希望する読者に向けて、マークアップエディタを利用してHTML版とEPUBリフロー版に変換することを前提にしたプリントオンデマンド用のInDesignデータを製作することにより、紙書籍、電子書籍、Webサイトの3つの商品を低コストで提供するサービスも開始しました。これによって従来の紙書籍のように初版印刷コストを気にする必要がなくなり、どのオリジナル電子コンテンツでも手軽に読者に紙媒体で購入いただけるようになります。

※画面写真等は一部サンプルおよびダミーデータを含んでおり、実際のものと異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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